ポテトチップス・ラブ

ポテトチップスについてのブログです

ポテトチップス界のメインキャラクター達

ポテトチップス好きの人にはきっとそれぞれ推しポテトチップスがあるのではないかと思います。でも、推しメーカーを決めるのはなかなか難しいのではないでしょうか?
なぜなら日本のポテトチップス界のメインキャラクターたちは皆それぞれ大変魅力的であり、むしろそれはひとつのグループのようなものだと思うのです。
そこで今回は私の偏見によるポテトチップス界のメインキャラクター紹介をしてみたいと思います。

カルビー

ポテトチップス界の王。チップスだけでなく、じゃがりこJagabeeなどカップタイプのポテトスナック市場を築き上げたまさにポテト王です。ラインナップは手堅いものが多いですが、近年では主にポテリッチシリーズを中心に食品再現系も多く出しています。
また、時折、クリスマスシーズンなどに飛び道具的なフレーバー*1を発売して若干滑るという愛嬌も持ち合わせつつ、しあわせバターなどのヒットも飛ばしてしまう完璧さ。
王者であることに甘んじず、地域限定商品や季節限定商品を充実させ、北海道限定のじゃがポックルや、グランカルビーなどの高級路線でも高クオリティの商品を開発し続けている、常に畑を耕す事を忘れない働き者。

  • 1975年「ポテトチップス」発売

コイケヤ

ポテトチップス量産に日本ではじめて成功したポテトチップス界の開拓者。ポテトチップス界では2番手イメージが強いものの、その勢力はカルビーに勝るとも劣らず、ポリンキーやスコーンなど、ポテトチップス以外のスナック菓子でも安定した人気を博しています。
デビュー作でもある「のり塩」の切れ味は他の追随を許さないクオリティを保ち、さらにカラムーチョブランドという精鋭部隊も所持している。自分の武器をよく心得ている武将タイプ。

  • 1962年「湖池屋ポテトチップス」発売

ヤマヨシ

ポテトチップス界の冒険者。発売当初は飛び道具的な印象が強かった「わさビーフ」でじわじわと威力を拡大し、90年代にはコイケヤカルビーに長らく独占されていたポテトチップス界に独自フレーバーという「個性」によって足場を築きました。
とにかく新商品開発のスピードが速く、「食べるラー油」「塩麹」「エッグベネディクト」など流行りものを取り入れるスピードも早い。けれどわさビーフ以外のフレーバーはほぼ再発売しないという刹那的なメーカーでもあります。
例外がセブンイレブンのPBシリーズから「厚じゃがポテト」を経て定番になりつつある「厚さ2.0倍シリーズ」。あえての定番フレーバーで「厚切り」をメインに押し出す、という目の付け所がヤマヨシらしい新鮮さで、その後明治、カルビーコイケヤと続く厚切りブームを作ったと思います。

明治

ポテトチップス界の一匹狼。明治のスナック菓子といえばカールというイメージが強い中、コンビニ棚の一角に「旬じゃが」シリーズなどのスティックタイプのポテトチップスと、厚切りの「じゃがまま」シリーズを切れ目なく送り出し続けています。
旬じゃがのギザギザポテトを三分割したような食べやすいサイズは明治独自のもので、比較的味が濃いフレーバーが多いのも特徴。シリーズ名はなぜかシーズン毎にかわり、「北海道ポテト」だったり「旬じゃが」だったりします。

ハウス食品

ハウス食品のスナック菓子といえばとんがりコーンという印象が強いですが、1990年代にオーザックという秘密兵器とともにポテトチップス界に参入。パブリング製法という独自の製法で作られているため、ポテトチップス原理主義者からはしばしばポテトチップスであるか否かという議論が起こることもありますが(あるのかな?)、発売後すぐに一定の信者を獲得し、コアながら安定した人気を博しているポテトチップス界の司祭的ポジション。

ヤマザキナビスコ

アメリカの菓子メーカー、ナビスコ山崎製パンの合弁契約(現在は山崎製パンの子会社)によって設立されたヤマザキナビスコは、同時にポテトチップス界と成型ポテトチップス界をつなぐ架け橋としての役割も持つポテトチップス界の外交官。
看板商品は1976年に発売された成型ポテトチップスの花形「チップスター」ですが、「ポテトチップス」シリーズや駅のキオスクなどで売られる「そのまんまポテト」など細切りポテトシリーズも充実しています。惜しいのはチップスターの影にかくれるポテトチップスシリーズの個性のなさでしょうか。

以上、すべて私の偏見に基づくもので申し訳ないですが、ともかくこのようにさまざまなキャラクターがコンビニのポテトチップス棚でせめぎ合っているというのが、ポテトチップス界の楽しいところだと思います。
他にもスーパーやコンビニのPB商品もありますが、その多くは上記のどこかのメーカーが作っていることが多いようです。


以上は「めしばな刑事タチバナ」の新刊に掲載されている「ポテトチップス紛争」回を読んだ感想として書いたものを加筆して転載しました。
たぶんこの日記を書いたのが、「ポテトチップス・ラブ」を作ったきっかけだった気がする。
d.hatena.ne.jp

*1:クリスマス島の塩味、塩キャラメル味、シュガーバターなどなど